現在の量産エンジンは非常に高精度です(ファミリーカーのエンジン)
理由は低燃費、高効率達成には皮肉にもレーシングカー的精度が求められるということです。
量産エンジンはピストン、コンロッドの重量バラツキも±1g以内が標準なのは
工作機械の進歩が素晴らしいからです。
最近のレーシングシーン(ワークス)での各部精度は0.002mm以下、
重量合わせは最低100分の1g以下です。
0.1gくらい違っていても変わらないのではと思う方おられると思いますが、
高回転のエンジンの場合はガツンと効いてきます。
エンジンが回転している時(仕事中)で考えると理解できると思います
0.1gは静止状態の0.1gで回転中のピストンは上死点、
下死点で一瞬は物理的に速度0になりますからこの時点では誤差0.1gですが
ピストンスピードはストロークの中心付近で最大速度に達します、
回転数8000回転の状態で平均ピストンスピードが約19.55m/secあれば
最大時はピストンには2000Gがかかりますから0.1gのバラツキは2000倍の200gの誤差になります。
量産レベルで考える1gのバラつきなら8000回転で
2000gのバラつきになるのです<2キロです>
したがってホンダのS2000エンジンなどの高回転エンジンはメーカーでも
いまだに手組になります、そして10000回転なら3000Gを超えます、
18000回転もするF1のエンジンの場合誤差は全てにおいて0が基本ですが
0を達成するには稼動部分全てを同温度。同湿度での施設内で加工組み付けが
必要になりますし異金属の膨張係数なども考慮しなければならないようです、
金属は温度で膨張しますから。
ジュリアのエンジンをチューニングするというのはあくまで
70年代の古き良き時代のレーシングシーンを再現し楽しむのが私は正しいと思います。
現在のテクノロジーを入れてしまうと趣旨が違うところに行ってしまうと思うのです。
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