今日・明日で完結するオイルの話
エンジン温度は冷却水の温度で決まる、
ピストンリングとシリンダー壁との摺動面温度は冷却水の温度で決まってしまいます、
80度サーモのエンジンと90度サーモのエンジンでは10度の差があります。
冷却水温が 90度の場合シリンダー内壁は約150度といわれますが80度の場合は140度前後といわれます、
APIの高温側粘度が油温100度のときの動粘度にて提出が決められているのはここに意味があります。
冷却水温 90度 のエンジンに20W-50を使い,
80度エンジンに20W-40 を使う
シリンダーとピストンリング間にある潤滑油の動粘度にはほとんど差がない、
あとはピストンリングシリンダークリアランスの問題になります。
旧車に粘度指数の高いオイルを入れるのは上記のような意味からです、
つまりピストンクリアランスが元々広い、
磨耗で広がった分をオイル粘度でカバーするということです。
しかしながらジュリアの新車エンジンクリアランスは10W-50or20W-50以下を受け付けない数値ですから過走行なら20W-50でもしっかりした品質のものが必要になります。
(上記はクリアランス数値とオイルのAPIの基準で算出していますが北欧の一部の10w-50及び20W-50登場までの20W-40を除きジュリアは20w-50が指定されています)
1970年代アウトデルタは何番のオイルをレースに使用していたのか?
シングルグレードの40番、50番、60番の記録があります、
シングルグレードの50番は20W-50のデータと違い100度の動粘度は25W-60以上ものですからシングルグレード60番はその上になります。
レースでの記録でが1974年のスパ・フランコルシャンのアルファ2000GTVワークスカーのサーモは72度、オイルはシングルグレード50番という記録があります。
最近車がオイル交換を指示してくるような車はエンジン回転積算値に閾値を設定するという方式をとっています、つまり距離ではなくエンジンが回転数値になります。
オイルは疑問を持つと奥が深い深いんです、
この続きは明日何故ジュリアの交換インターバルが短いのかの一因を。
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