ジュリア2000エンジンのクランクシャフトは鍛造、焼き入れ、タフトライト処理されています、
それ以前のアルファロメオのクランクシャフトは鍛造ですが焼き入れも
タフトライト処理もされていません。
しかし時代を考えれば凄くコストのかかった物で、当時の物としては最高品質品。
焼き入れの入っていないクランクシャフトはレーシングユースに使用しなくても
余程丁重に使われた物でなければ(暖機運転等)長年使用では振りなどが発生します、
ハードに使われたエンジンのクランクシャフトの多くは振れ、歪みが発生しています。
そこで2000から焼入れで硬度を上げ、タフトライト処理がされましたが
タフライト処理はあくまで耐摩耗性、耐疲労性、耐食性に対する処理で表面硬度は上がりますが
全体硬度はそれほど上がりません、全体硬度を上げるのはあくまでも焼き入れです。
そしてタフトライト/タフライド処理は新品に行うことが原則、
タフトライト処理、ドイツのデグサ株式会社の商品名
タフトライド処理、日本パーカーライジング株式会社の商品名。
タフトライト処理は、速塩浴軟窒化処理の一種で、
520~570℃、10~120分で行う液体窒化処理、
塩浴の主成分は、青化カリウム、シアン酸カリウム、炭酸ソーダ、
チオシアン酸が分解して発生する窒素と炭素が鋼材の表面に侵入し
窒化と浸炭が進行。硬度は比較的低いですが、耐摩耗性、耐疲労性、
耐食性が良いので高価な特殊鋼の代わりに自動車部品、
工具などを作るのに使用します。
(メーカー発表記事)
タフトライド処理は、塩浴軟窒化処理法、
鋼材、鋳物を鉄の変態温度以下500~610程度の低温で処理し、
鉄中にN,C,O元素を浸透させます。表面近傍に形成された8~15μm程度の化合物層、
その下に0.3μm程度の拡散層が形成されます。
この化学反応は、安定しており均質な品質が維持できます。
特徴として、窒化化合物の厚みがおよそ数10μmあり、耐摩耗性、耐かじり性、
耐焼付性が向上します。
(メーカー発表記事)
上記の記事をお読みになれば使用後のクランクシャフトなどの振れ、歪みの出た
クランクシャフトにタフトライト/タフライド処理をしても意味はありません。
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